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世の中をなめている
今日もおかしな電話があった。いま何をしているのかは聞いていないが、これから耐震リフォームをやりたいらしい。電話の意図がよくわからなかったのだが、しばらく聞いてみた。数分後、おどろくほど幼稚なことを考えていることがわかった。
「最近、悪質リフォームでつかまっている人間も多いし、あんな風になりたくないのでいいやり方を教えて欲しい。ホームページを見てて、ここやったらしっかりしてると思ったから」
あほらしく、しばし無言。
(そんなもん、普通にやっとったらええんじゃい・・・)
会話が少しすすみ、
「補強は金物だけでいいんですか?」
「いえ、それは耐震補強の一部で壁補強とか基礎補強とか色々ありますよ」
(うちは学校とちゃうで・・・)
「それは感覚で決めるんですか?」
「もちろん基準があって判断します」
(おいおい、当たり前やろうが)
「それを電話で教えてもらえないですか?」
ここは毅然と
「それは時間をかけて勉強していただかないとダメですね。お医者さんに向かって、電話で医者になるやり方を教えてくれと聞いても医者にはなれないでしょう。電話ですぐに教えられるほど簡単な仕事だと思いますか?」
耐震技術認定者の試験は、大工経験7年・二級建築士のうちのジュンでも10月に落ちている(ゴメン、ばらした)。一体、電話で何を教えるのか?
これはどんな仕事にかかわらず同じだと思うが、いやしくも一個の職業として成り立つもので、そんなに簡単に教えられるものがあるはずがない。知識がどうこう以前の問題で、世の中をなめているとしか言いようがない。縁があって少しばかりの会話をしたが、何をされても上手くはいかないと思うのだが・・・。