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上棟式
昨日は棟上げだった。間取りも簡単で人数もそろえていたため、楽勝の展開だった。しかし何よりも「楽勝」に寄与したのは先行足場だったように思う。
昔は棟上げと言えば、足場などなかった。初めて経験したときは、怖くて足が前に出なかった。これは不思議な感覚だが、下から見ていると大した高さに見えないが、上から見ると驚くほど高く見える。
大げさに聞こえるかも知れないが、大工にとって棟上げは命懸けである。落下事故についての話である。私も棟上げで命を落とした大工の話を二人聞いているし、骨折程度のケガは何件聞いたかわからない。身内の大工では、足の不自由をかかえた者もいるし、あながち大げさな表現ではない。
ちなみに、私の周りの大工はほとんど全員が落下事故を経験している。私の親方は6回も落ちた。6回目は私の目の前で落ち、それが引退につながった。
私は落ちたことが無い。それは怖がりだからだ。達者な人ほどよく落ちる。泳ぎが上手な人ほど溺れるのと同じ理屈だ。どんくさい自分に感謝したい。
しかし、それも先行足場があるだけでずいぶん安全になった。今後は事故も減っていくだろうし、こういう時代の変化は歓迎である。
二週間後にもう一件棟上げをひかえている。それも先行足場で楽勝と行きたい。
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こんにちは、吉信秀樹です。
先日の埼玉の女児のプール事故は、胸がいたみました。怖くて苦しかったと思います。涙が出てきました。心よりご冥福をお祈りいたします。
では、またお会いしましょう!