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新耐震診断
昨日、きっしゃんと新しい耐震診断の講習会に行ってきた。実は制度としては平成16年4月から新しくなっていたが、木耐協としてはまだ古い耐震診断を行っている。頼りない話だが、理由もある。
新耐震診断では、「一般診断」と「精密診断」とに分かれるが、当初、国土交通省は「精密診断を行ったうえでの耐震補強工事でないと、行政の様々なサービスの対象外になる」というスタンスでいた。ところがその精密診断が難しい。現在、日本には1級建築士・2級建築士が合わせて約90万人いるが、その中でこの「新耐震診断における精密診断」が出来るのは、わずか3000人に満たないという。0.3%だというのだから恐れ入る。もちろん、私にもチンプンカンプンだ。
もう一つ高いハードルがある。一般診断では「非破壊検査」だが、精密診断では「破壊検査」だ。つまり精密診断では、壁をめくったりしないと診断できないため、補修も含めて診断自体に大きな費用が発生する。言い換えれば、最初から補強するつもりでないと診断を受けることも難しい。
これでは精密診断など進むはずがない。さすがに経営感覚の無い「国」も無理があることに気付き、「一般診断でも、補強工事についての減税措置等の対象とする」と、ようやく方向転換したのが平成17年6月。
ここにいたって我が木耐協も本格的に始動し、ソフト開発等のハードの準備を始め、今年4月15日より新耐震診断に移行する運びとなった。
個人的な感想を言うと、この新耐震診断は概して良い。ずいぶん詳細になり、従来の耐震診断がいい加減なものに見える。手間もかかるが、それでより良い耐震診断になるのなら本望だ。
ただ一つ難を言えば、壁のバランスを計算する方法だけは、新診断の「四分割法」よりも従来の「偏心率」で見るほうが優れていると思う。補強箇所を特定するのには「偏心率」の方がよほど精度が高い。詳しくお知りになりたい方は、会社までお越し下さい。
とにかく、ようやく新診断が出来る。いらぬ説明をせずに済むようになるのがありがたい。
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こんにちは、吉信秀樹です。
今回はお堅い話になりました。昨日は「誰もがその名を知っている会社」からも数人来ていましたが、眠っていました。退屈そうな人もいたようです。「義務だけでする仕事」はつらいねえ。
では、また会いましょう。