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せめてジュースでも
私は普段、あまり職人さんにジュースなど飲み物を買ったりしません。ケチからではなく、私が大工として働いている時には、欲しくなかったからです。
親方の下にいる時は、一緒に休憩もしておりましたが、独立してからは、お昼休み以外の休憩はしませんでした。したくなかったからです。
10時と15時に休憩するぐらいなら、その分早く家に帰って、見積もりを作ったり、帳簿をつけたりしたかったのです。
現場でお昼以外に休憩を取るのは、無理に(?)お客様にすすめられた時や、元請さんに飲み物を買ってもらって付き合いで一服するか、夏の外仕事で日陰に入らないともたない時ぐらいでした。
ですから、私は頑張って早く仕事をすすめたいのに、飲み物を持って休憩をすすめられるのは、どうも苦手でした。一緒に現場に入っている職人さんがジュースを持って「一服しよう」などとやってくると、心の中で「一服は一人でやってくれ」などと思っていました。まあ、ばちあたりな話ですね(笑)。
そんな自分の性格があり、今でもあまり職人さんに飲み物を買うのは好きではありません。人間味がないように感じる方もいらっしゃるとは思いますが、それぐらい時間を大切にしていました。職人さんの邪魔をするのが怖いのです。
しかるに今日、屋根の葺き替え現場をのぞきに行きました。この炎天下の中、また屋根の上は非常に暑いものです。地上とは比べ物になりません。
そこで土葺きの瓦をめくっています。乾燥した土ですべりやすく、一日やっていると脚がぱんぱんになります。砂ぼこりが常に舞い、空気環境も劣悪です。何より日陰なんかないんです。
それでも5人の職人さんは、黙々と仕事をすすめます。汗びっしょりで泥んこです。頭が下がります。しんどい仕事なのはよくわかります。
「榮さん、一服する時、これで冷たい飲み物でも買ってよ・・・」と紙を1枚押し付けました。そうしないと気が済まなかったのです。
自分で飲み物を買うのは「今、買って邪魔にならないか・・・」とか考えるのに、紙で渡すのは気軽に出来るんです。
でも職人さんは、飲み物を買って行くと気軽にもらってくれますが、紙で渡そうとすると遠慮して構えます。だから押し付けになります。おかしなものですね。
えっ?俺も職人やけどそんなんもらったことないって?結構、気まぐれなもんで・・・。
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こんにちは、吉信秀樹です。
夜、「おとうさんにマッサージしてくれる人?」と問いかけると、3人の娘は必死になってマッサージをしに来てくれます。
「ひなちゃん、いっぱいしてずるい!」
「かんちゃんもやりやすい場所やんか!」
「ななこの場所もあけて!」 かわいい喧嘩になります。
身も心もリラックスします。ありがとう、ありがとう。
では、またお会いしましょう!