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2024.07.16
すいません!これは施工不良です
昨日は新築住宅の10年点検にうかがいました。
いつも最初にうかがいます「何か気になっているようなところはありませんか?」
今回は外壁のクラックについて、大丈夫でしょうか?と質問がありました。ヘアクラック(0.3mm程度までのもの)が何ヶ所かありました。モルタルはその性質上、経年変化で収縮するという特徴があり、構造的には全く問題がないということと、この程度であれば雨水の侵入もあまり心配はないのでもう少し広がるようであれば、それからコーキングなどメンテナンスを考えてもいいと説明させていただきました。
そして床の傾きを計測したところ、1000分の0.5程度の傾きがあったのですが、これは建物の重みで土をしめるので、築10年もすると普通は多少はあること。1000分の1や2程度の傾きは一般的には瑕疵にはならない旨の説明をさせていただきました。
1000分の1というのは、1mの間隔で1mmの高低差ができることを言います。ちなみに欠陥住宅と言われるのは1000分の6からですが、これはかなりひどい。
つまり、ここまでは「施工不良でもないし、特に問題でもないですよ」というスタンスのトークだったのです。
一通りの確認が終わるころ、ロフトの天井が気になるとおっしゃいます。さわると少し下がってるのがわかるところがあるが、これも経年変化ですか?!
どれどれと見せていただいたところ、確かに数ミリ下がっています。「すいません、これは最初からだと思われます。施工ミスですね、ごめんなさい。」どうも、ボードのビスを打ちもれしていたようです。う~ん、大工も大工だがクロス職人もクロス職人やな。
「この部分のビスを打ってないと思うんです。ですから最初からですね」
「そうでしたか、ずっと物置にしてたから全くわからなかったんです」
「おそらくここはこの形で一枚張られていて、この部分だけ打ててないと思うんですが、他は全部打ってるので、落ちてくることはないです。落ちてくることはないですけど、やはり正しい姿じゃないし、気にもされていらっしゃるので、手直しさせてください。ただし、クロスの補修をともなうので、きりのいいところでさせていただいて、クロスの補修をしたのはわかってしまいますけど、それでもいいですか?」
と確認させていただいたところ、迷うことなくあっさりと「落ちてこないのならこのままでいいです」
申し訳ないと思いつつ、お言葉に甘えることにいたしました。おいとましようとすると、「お時間は少し大丈夫ですか?」とカステラとお茶をご用意してくださり、しばらく談笑しておりました。当時の社員の話にも花が咲きました。何やら受け入れていただいている感じがして、幸せな気持ちでした。そして「これをみなさんで」と手土産の洋菓子までいただきました。
私は10年点検に来て、施工不良を一つみつけただけなのに、ありがたいやら恥ずかしいやら、まあ色々な想いがありました。しかし、お客様とはありがたいものですね、本当にいい職業についたと思います。仕事でこんなに幸せな気持ちにさせていただける、本当にありがとうございます。
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こんにちは、吉信秀樹です。
いまセ・リーグは1位から4位まで0.5ゲーム差。もうオールスターやのに、歴史に残る大混戦。最後に勝つのは阪神だとはわかっているが、そこまでこのダンゴレースが続くのか興味津々です。
では、またお会いしましょう!
カテゴリー: 大吉建設の家づくり