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2022.02.20
社長は謝るのが仕事
若い頃、社長になりたての頃に何かで読んだ、「社長は謝るのが仕事である」と。
その頃は「そんなものかもしれないな」ぐらいの感想でしたが、今はけだし名言であると思います。社長は実務などはせずとも、いざと言う時にケツをふけばよい。もっとも、現在の私は思いっきり実務をやっておりますが(苦笑)。
その意味で、言い訳する人や責任転嫁をする人は社長をやったらあかんと思います。社長は最後の砦なのですべてを引き受けないといけない。まあ、社長に限らずそんな人は上司になったらあかんと思います。
今日はちょっとしたことで(失礼)、お詫びしないといけないことがあって、冒頭の言葉を思い出したのですが、そのことについて見事だった社員のことを思い出しました。
以前にOという社員がいたのですが、まあ、有能な男でした。いまはうちよりも立派な会社に引き抜かれておりません。ある時、リフォーム現場でおとなりのヤクザ屋さんの敷地に少し立ち入ってしまったそうなのですが、それを見とがめられて「社長を出せ!」と強く求められたとのこと。「すいませんが、どうしても社長に来てもらわないと納得してもらえないのでお願いします」というので、「よし、わかった!」と二つ返事ですぐに向かいました。
事務所で奥の部屋に案内されて親分さんに「誠意を見せろ」と詰められましたが、私は「お詫びや掃除はいくらでもしますがお金はだせません」とこちらもゆずらないところ、最後は意外にあっさり、「あんたはしゃあないな」と許してくれました。
その時、その親分さんがOのことを褒めてくれました。「こいつは俺がなんぼ社長を呼べと言っても、なかなか呼ぼうとせんかった。お願いですから僕の不始末やから僕でなんとかおさめさせてください。社長に申し訳ないって言っていつまでも頑張っとった」と言ってくれました。
後で聞くと、以前にも「社長を出せ」と言われたことはあったが、それはできませんと何とかおさめましたとのこと。私にはお叱りを受けたことは報告していても、そこまでは言ってなかったらしい。「そうか、かまへんからもっと早く呼べ、社長は謝るためにおるんや」とこの時にすらすらこの言葉が出てきました。
もともと評価しておりましたが、この一件で私のOに対する印象はまた変わりました。賢くて器用な奴でしたが、骨があることもよくわかりました。彼にとって社長に謝らせるというのは自分のアイデンティティーにかかわるほどの大ごとだったようです。
ちなみに、少し前までNという男がおりました。彼はうちの社員には珍しく、恥ずかしながらクレームの多いタイプだったのですが、Oとは正反対でした。何かというと「社長、僕では無理なんで代わって話していただけませんか」ときます。「お前、それぐらいの話もできんのか」と思ったことも一度や二度ではありません(苦笑)。彼にとって社長に謝らせるということは日常会話と大差ない感覚でした。
やっぱり、そういう覚悟が能力になっていくんだろうなと感じた今日でした。
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こんにちは、吉信秀樹です。
昨日、次女かんちゃんの高校の卒業式でした。最後にもう一度行きたかったが、コロナのおかげで行けませんでした。しかし、コロナのやつ、なんとかして欲しい。
では、またお会いしましょう!
カテゴリー: 人生論