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吉信社長の工事現場日記

大工あがりの吉信社長が人生観を語るブログ

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2021.08.13

床下換気はしないほうがいい

「家づくりが変わって換気の必要がなくなった」

 私が床下を換気しなくてよいと考える一つ目の理由は、そもそもなんですが、現代の家づくりにおいては換気の必要がなくなったということです。昔は基礎を布基礎にして、床下では土がむき出しになっている家の建て方でしたから、土からあがってくる湿気を逃がすために換気をしていたわけです。

 ところが現代の家づくりは、コンクリートの保護と土地からの湿気があがってこないようにするため防湿シートを縦横二重で敷いた上にベタ基礎のコンクリートを打つのですから、全く土の湿気なんか気にしなくていいわけです。大元の換気をする目的がなくなったのでしなくていいというのが基本的な考え方です。

雨の日に逆に湿気が入ってくる   

 床下換気は必要が無いというだけでなく、むしろ積極的にしないほうがいいという理由があります。一番大きいのは雨の日や特に台風の日など、むしろ逆に湿気を床下に呼び込むからです。換気口がなかったら入ってこない湿気が、雨の日は逆に入ってくるんです。私はこれまで耐震診断をたくさんしてきましたが、耐震診断では床下の湿度を計測します。建物の長持ちに影響があるからです。同じ建物でも雨の日に計測すると床下の湿度はずいぶん高くなります。何のために換気してるのかわかりません。本来の目的と逆に作用してるのです。

シロアリの進入口になる

 次に床下の換気口はシロアリの進入口になります。あたりまえですが、シロアリは一匹もいないところで自然発生することはありません。必ずどこからか飛んでくるんです。家の中に入ってくる進入経路の一つが基礎の換気口なんです。昔からシロアリ対策で家のまわりに木材を置くなと言いますが、特に基礎の換気口の前に置くなといいます。ベタ基礎の家であれば基礎の換気口をふさいでしまうことは有効なシロアリ対策になります。

冬に冷たい空気が入ると結露しやすくなる

 床下を換気すると、当然、冬には冷たい空気が床下に入ってきます。すると床をはさんで室内と床下の温度差が大きくなり、これが結露の原因になります。はい、結露の原因は温度差と水分なんです。

 結露しやすくなるのは床だけではありません。「気流止め」という考え方で壁の中の空気の流れを止めていない昔ながらの家づくりでは、床下から入った冷たい空気が壁の中にも入り込み、壁も結露しやすくなります。これも建物が傷みやすくなり、望ましい状態ではありません。

 床下に冷たい空気が入ると、結露しやすくなるだけではなく、床の表面も冷たくなります。もちろん、床に断熱材を入れておけばかなりマシにはなりますが、それでもやはりそもそも基礎をふさいでおいて床下換気をしない状態と比較すると冷たくなるのはやむをえないという感じがします。

床下換気をすると気密性能が不安定になり断熱性能も落としてしまう

 次に床下換気をして問題になってくるのは気密性能が安定しない、もっとはっきり言うと気密性能が下がるということです。住宅の気密検査を実施している会社にとっては基本的な知識なのですが、床下換気をするとどうしても気密性能が低くなります。床の施工には気密性能という発想がないからです。床下断熱ではなく基礎断熱にして床下換気をしないようにすると、気密性能が高まります。気密性能が高まると、断熱性能が本来持っている性能を発揮しやすくなり、夏や冬、エアコンを使う季節には住み心地がよくなります。

この動画は私の作品の中ではベストセラーです。
「床下を換気してはいけない5つの理由」
https://www.youtube.com/watch?v=var1_u-ojlg

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 こんにちは、吉信秀樹です。
こんなに雨の続くお盆って記憶にないですね、ひょっとして観測史上初めてだったりして。密かに気温マニアで今年の8月の平均気温が気になります(微笑)。
 では、またお会いしましょう!

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