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2019.11.03
既存住宅インスペクション
昨年の4月から中古住宅の売買の際に既存住宅のインスペクションの告知が義務になりました。仲介する不動産会社の義務です。「こんな仕組みがありますが、やってみますか?」と言えば、やらなくてもよいわけです。
買主に数万円の費用負担が発生しますが、あまりよろしくない物件をつかまないための保険として、そもそもの意義は悪くないかと思います。
しかし、実際の調査結果を見ていると、疑問符がつく内容が非常に多いような気がします。他社でされたインスペクションの結果を持って、当社にリフォームの相談をされる方がちらほらありますが、見せていただくと「この調査でお金をとられたらかわいそうやな」と感じるものもあります。
一言で言うと、杓子定規で実践的でない感じ。私はやはりリフォームの指針となるべきものでないと役に立たんと思うのですが、そういうコメントがない。目で見える事実を指摘しているだけで、これがどんなに問題で直さないといけないのか、これぐらいだったらほっておいてもいいのか、ということがわかりにくい。
非常に問題があることなのに、ルール上の基準値内であれば「問題ありません」の一言で済ませたり、実務的にはほとんど問題がないことなのに、ことさらに不安をあおるような指摘をしていたりします。
例えば、建築基準法で床の傾きは5/1000mmまでが許容範囲。6/1000mm以上の傾きはアウトなのですが、実際は5/1000mmでもかなりきつい傾きで、健康に影響がでる可能性もあります。5/1000mmの傾きとは3メートルの間で15mmの傾きがあることです。
これはかなりきついです。正直なところ、3/1000mm以上は問題があり改善を考える必要があると思われますが、ある会社のインスペクションの報告書では「5/1000の傾きがありますが、基準値内であり問題ありません」とのコメントで終わっていました。このコメントに問題がありますな。
逆に、基礎コンクリートの表面の化粧モルタルのクラックを指摘して、「問題あり」とだけコメントしています。基礎の構造クラックとの区別がついていないし、対応策も書かれていない。ほっといてもいいのに。
もうちょっとしっかりしていただかないと、せっかくの既存住宅インスペクションも絵にかいた餅で終わりそうです。いい調査を受けたい方は大吉建設へ。私がやります。もちろん資格も持ってます。
PS 国は「中古住宅」という表現を使わず「既存住宅」と言っていますが、これは中古という言葉のイメージを嫌ったそうです。国策なので、私もしばらくは合わせて既存住宅と言っていましたが、通りが悪いので最近はまた中古住宅と表現しています。わかってもらえる言い方をしませんとね(微笑)。
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こんにちは、吉信秀樹です。
近年のラグビー熱には驚かされます。ラグビー好きな人こんなにおったか!というのが正直な感想です。しかし、なんで今回は五郎丸が出てないのか。その程度の事情もわからない私です(微笑)。
では、またお会いしましょう!
カテゴリー: リフォーム