ここから本文です。
建築に不利な土地の時間
全く同じ建物を建てても土地の形によって、建築工事費が変わることがあります。土地の購入を決める前によく考えていただきたいことです。
前面道路との高低差が大きい
一番大きなのは前面道路との高低差です。高ければ高いほど建築には不利です。コンクリートの擁壁工事は建築にまつわる工事の中で最も高額なのです。数百万円は簡単に使ってしまいます。擁壁が必要ではない程度の高低差でも外構工事は必ず高額になってきます。ちょっとした階段をつくるだけでも増額要因になります。つまり、建築工事費を総額で一緒にしようと思えば、一番大切なはずの家でコストダウンしないといけなくなるわけです。
前面道路との高低差のない土地は、少しぐらい土地代が高くなっても、外構などの工事費は安くなりますし、魅力的です。何より住み始めてからの生活が楽になります。
道が狭い、駐車スペースがない
前面道路が狭いのも建築工事費を押し上げる要因になります。例えば上棟の時にクレーン車を使用しますが、道が狭いところでは小型のクレーン車でないと入っていけません。実はこの小型のクレーン車が通常の大きなクレーン車よりも高額なのです。
材木の搬入なども普通のトラックで入ることができないような狭いところでは軽トラックで何回にも分けて搬入しないといけないことがあります。これについて「小運搬」と言って別途費用がかかる可能性があります。
また、道が狭いところでは工事車両を駐車する場所がなく、駐車場をまとまって借りなければいけないところがあります。多くの現場では特に駐車代が必要ありませんから、これもやはり増額要因になります。
接道していない三面全てを外構しないといけない土地
外構はざっくり言うと隣地との仕切りとガレージやアプローチなどの実用性のある工事が中心になります。造園やガーデニングはその基本的なところにプラスアルファといったところです。ここでいう隣地との仕切りは一般的にはブロックを積んでフェンスを建てることが多いかと思いますが、この工事の必要な範囲が土地によって全く変わります。
例えば三面ともやらなければおさまりが悪いところもあれば、一面だけやればいいところもあり、中には三方きれいに仕上がっていて不要なところもあります、そういうところでは外構工事が安くなります。
のり面がきつかったりひな段になっている土地
のり面というのは傾斜になっている土地のことですが、これがきついと基礎工事が高額になります。土地の低いほうで背の高い基礎を作らないといけないからです。同じ理屈でひな段になっている土地も基礎工事が高額になります。つまり全く同じ建物を建てていても、建築費が高額になります。
色々と申し上げましたが、「だからこの土地はやめる」と言い出すとなかなか決めにくくなります。ですから道路との高低差さえマークしておけば、他のことは許容してもいいと思います。高低差が大きな土地さえ避けておけば、何百万円というコスト増は避けられるからです。他のことは土地にもよりますがせいぜい数十万から百万円といったところではないでしょうか。
動画でもどうぞ