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外壁塗装の時間

外壁塗装の目的

外壁塗装とは、経年変化で汚れた外壁を単にきれいにするリフォームではありません。それ以上に大切な目的として建物のメンテナンスがあげられます。そうです、外壁塗装とは建物を長持ちさせるためのリフォーム工事なのです。

モルタルの外壁はその性質上、必ずクラック(ひび割れ)が入ってきます。そのクラックを放置しておくと少しずつ広がり、雨が強く吹き降るときなどにそこから雨水が侵入します。一度雨水が入ると、ふさがれている壁の中なので容易に乾きません。すると、柱や筋違い(ななめの部材)など構造耐力上重要な木部を傷めやすくなります。これ、意外に怖いです、危険度大。

またクラックだけでなく、塗装が傷んだ外壁は水を吸収しやすくなっています。モルタルが水分を含むようになってくると、木下地から剥離してめくれやすくなります。ひどい実例では、震度3の地震で外壁のモルタルが落ちてきたことがあります。

外壁塗装とは、建物を雨水の影響から守り、傷みの進行を遅らせるために行う工事なのです。もちろん、美観的なことも大切ですし、とても気になるポイントかと思いますが、あくまでもそれ以前にメンテナンスだと考えてください。だから、汚れてるのが気にならなくても、時期がきたらすべきリフォームなんです(微笑)。

外壁塗装のタイミング

「そろそろした方がいいのかな?」とお感じになった時、ご自身でも簡単に判断できる方法があります。まず、壁が変色していないか?特に北側の壁にコケなどが生えていないかを確認してください。この程度ならプロでなくても判断できます。

壁にコケが生えるというのは水のきれが悪くなっている証拠です。程度ものですが、塗り替え適齢期です。水のきれが悪くなっても、日当たりのいい南側などは日光の力で乾いてしまいますので、コケが生えることはあまりありません。北側の壁にコケが生えてなければ第一段階はOKです。

ちなみに、外壁の仕様がモルタルのかき落とし(そもそも塗装をしていない状態)の場合は、北側の壁が黒ずんだりしています。これは即、塗装工事をおすすめします。

そして塗装の状態をもう一歩進んで確認するには、壁を指でふくようにして触ってみてください。指先がチョークの粉でもつけたように白くなったら要注意です。これは塗装がかなり傷んでいることを示しています。「チョーキング」と言います。チョーキングの症状が出たら、迷わずに外壁塗装をされるのがよいかと思います。

おすすめの外壁塗装

何のために外壁塗装をするのかと考えると、やはりメンテナンスのためですから、メンテナンスに適した塗料がおすすめです。ずばり弾性塗料が望ましいと思います。弾性塗料とは、文字通り塗装の仕上げ状態で弾力性があり、下地のモルタルにクラックが入っても、カバーしている塗装が伸びてクラックを追いかけて表面に出さないといったものです。中でもシリコンの入った弾性塗料が長持ちしておすすめです。

セラミックはカッコよく高級感もあるのですが、簡単に言うと「石を外壁に吹き付けている」ため、建物が非常に重たくなります。これは耐震性能などにも影響するため、特に塗り替えでセラミックの上からセラミックの吹き付けを重ねるときなどは、工務店で耐震診断をされることをおすすめします。

塗装業者さんの中には、「そんなの気にしなくていいですよ」とおっしゃる方もありますが、耐震診断の実務としては壁が重たくなると建物の評価が変わります。悪くなるという意味です。耐震補強を目的として屋根を葺きかえるリフォームも存在します。重たいと耐震によくないのは、屋根だけではなく外壁もなんです。

塗装工事の落とし穴

塗装工事というのは建築工事の中では特に良心が問われる仕事です。他の業種ではできないような手抜きができるからです。クロス工事やフローリング工事など、原材料の使用量を少なくすることはできませんが、塗料は可能です。薄めてのばしたり、塗る回数を減らしたり、色々できます。塗り終わった直後ではあまりわかりませんが、後でじわじわ違いがでてきます。

訪問販売をされている会社にも多いのですが、結構、名の通った会社でもよくない噂を聞くことはあります。チラシで驚くほど安い金額を提示されているところも要注意です。塗装工事ほど金額を基準に選びにくい工事はありません。最後は、営業担当者や会社の雰囲気を『善意』として受け止めることができるかどうかというのがポイントかと思います。

まあ、他のリフォームでも同じですけどね(笑)。『特に』と思っていただいたらいいのじゃないでしょうか(微笑)。

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