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浴室リフォームの時間
毎日入るお風呂がきれいになれば、とても気持ちのいいことだと思いますが、それだけでなく、浴室のリフォームは建物の長持ちにとって非常に重要です。また、暮らす人の健康にとっても大きな影響があります。なかなかあなどれないリフォームなのです(微笑)。
お風呂のリフォームで家が長持ち
浴槽をすえてタイルを貼って仕上げるお風呂、いわゆる在来工法のお風呂は、傷みを放置しておくと建物にとって非常によろしくありません。そもそもタイルの下には防水工事をしておりませんので、土台の近くまで埋められている土はしっかりと湿っています。そこへ、タイルが劣化してきてクラック(ひび割れ)などが目立つようになると下の土はびしょびしょになります。
すると、シロアリがつきやすくなるとともに、洗面所の土台などは木材腐朽菌による被害を受けやすくなります。簡単に言うと、床下の木部がどんどんボロボロになっていきます。
現状が在来工法のお風呂であれば、ぜひシステムバスへのリフォームがおすすめです。これは、その湿った土をとりのぞき、40cmほども低いところでベースコンクリートを打つからです。その上でシステムバスを組みます。これは建物のメンテナンスにとってとてもいいことです。浴室・洗面所まわりの床下は確実に寿命が延びます。
床だけではありません。リフォームを検討するようなタイミングになると、壁や天井にもクラックが目立つようになってきていることが多いと思います。これもここから水分が入り、柱やすじかいなど構造上主要な木部を傷めやすくなります。実際に私は、お風呂を解体してみると中の木部が腐っていた家をたくさん見てきました。
それもシステムバスにすると改善できます。はい、「浴室のリフォームをシステムバスで行うと家が長持ちする」と覚えていただいても間違いではありません(微笑)。お風呂が傷んでくると、気分の問題だけではなく、家を長持ちさせるためにシステムバスへのリフォームを検討していただきたいと思います。
在来工法の浴室 |
システムバス |
寒いお風呂は健康の大敵 → 暖かいお風呂へ
ヒートショックってご存知でしょうか?家の中の温度差により、血圧が大きな変動を起こすことにより、心臓がとまったり、心筋梗塞や脳卒中になったりすることです。特に暖かい部屋から、寒いトイレやお風呂に入った時によく起こります。ヒートショックによる死亡者は年間14000人から17000の間で推移しています。交通事故で亡くなる方よりもずっと多いのです。
ヒートショックの対策としては、やはり家全体の断熱性能を高めるのが理想的ですが、工期も費用もかかりますので、それほど簡単ではありません。でも、システムバスは在来のお風呂よりも暖かいですし、浴室暖房乾燥機をつけるとずいぶん快適になります。お風呂のリフォームは手っ取り早いヒートショック対策なのです。
お風呂を暖かくやりかえることは、快適なだけでなくとても健康にもいいことなのです。
リフォーム工事について
お風呂のリフォームを考える頃になると、当然のように脱衣場の床もかなり傷んでおりますし、壁もカビがはえていたりするものです。お風呂のリフォームは洗面所のリフォームと同時にすることがおすすめです。入口まわりの壁の補修や床の補修など、範囲がかぶる工事も多いものですから、別々に行うと費用対効果が不利になります。
たいていの場合、ガス給湯器などの熱源機も古くなっていることが多いので、同時に交換されることがおすすめです。実はガス給湯器は住宅設備の中で最も寿命の短い設備でして、長くもって十数年、早ければ7~8年ぐらいでダメになってしましいます。
十年以上使っていらっしゃるのであれば、まだ壊れていなくても同時に交換するのがおすすめです。いずれにしても、長くもたないだろうという見込みとともに、せっかくお風呂がきれいになってもリモコンがもとのままでは満足感が低下してしまうからです。どうしても、やり残した感がでてしまいます。
特にガス罐(かま)を使われているご家庭では、絶対に(言っちゃった!)追い炊き機能のついた給湯器に交換するのがおすすめです。劇的にお風呂が楽ちんで便利なものになります。罐でたくお風呂は水をはってから何度もまぜに行ったりしてとても大変です。給湯器ならワンタッチですから、浴室リフォームの満足感が格段に上昇します。
工期としては月曜日から土曜日までの6日間でおさめるのが理想です。
月曜日 着工、既存浴室解体撤去工事
火曜日 電気配線工事、水道配管工事 → 土間コンクリート工事
水曜日 休み(コンクリートの養生のため)または給湯器交換など
木曜日 システムバス組立
金曜日 大工工事 入口木枠、洗面所の床・壁・天井
土曜日 クロス工事 → 洗面化粧台取り付け
このような工程が理想だと思います。
大吉建設のリフォームは全てこのパターンです。でも、場合によっては、金曜日から着工して、コンクリート養生のための休みを日曜日に持ってくるのもありかと思います。ちなみにマンションでのリフォームの場合は、土間コンクリートの工事がありませんので、一日短くなります。
お風呂のリフォームは物販的に「〇〇%OFF」といった広告が目につきますが、実はどのサイズのお風呂が入るかの目利きが重要です。微妙なサイズになるとプロでも判断がわかれることがあります。本当はもう一つ大きなお風呂が入るのに、小さいものにしている会社も時折見かけますが(相見積もりの時、お客様に聞いたりしてわかる)、営業マンの知識と経験が問われる仕事です。
えっ、私ですか?私は他社様が無理とおっしゃっても何とか入れてしまうタイプです(笑)。自分で解体して自分でおさめてきた経験のたまものですネ。